私たちが毎日の食事で食べているものが、睡眠にどんな影響があるか知っていますか？

睡眠は私たちの健康にとって非常に重要ですが、何を食べるか、いつ食べるかによって、その質が大きく変わることがあります。

この記事では、睡眠を妨げる食べ物とその理由について解説していきます。

カフェインを含む食べ物・飲み物

カフェインは、コーヒー、紅茶、エナジードリンク、コーラなどに含まれる化合物で、中枢神経系を刺激する働きがあります。

カフェインが睡眠に与える影響

覚醒効果

カフェインは、脳内で「アデノシン」という物質の働きをジャマします。

通常、アデノシンは私たちの一日の活動で蓄積されていき、眠気を感じる原因となります。

カフェインがアデノシンの働きをブロックすると、眠気を感じにくくなって覚醒状態が続くのです。

寝つきが悪くなる

カフェインの覚醒効果により、寝る前に摂取するとなかなか眠れなくなることがあります。

個人差はありますが、カフェインの効果は数時間続くことがあるため、寝る数時間前には摂取を避けるとよいでしょう。

眠りが浅くなる

カフェインは睡眠の質にも影響します。

特に、体の回復に必要な深い睡眠をとるのが難しくなることがあります。

カフェインの影響で浅い睡眠が続いてしまうと、翌日の体調に影響することもあるので要注意。

カフェインが睡眠に影響するのは、脳内物質の働きを変え、覚醒状態を維持したり、睡眠の質を下げたりするためです。コーヒーなどのカフェインを含む飲み物は、寝る前に避けるのがおすすめです。

辛い食べ物

唐辛子やワサビなどの辛味成分が含まれる食品は舌に刺激を与えることで、辛いと感じる味を生み出します。

辛い食べ物が睡眠に与える影響

体温の上昇

辛い食べ物を食べると、体がポカポカしたり、顔に汗をかいたり。

一時的に体温が上がることがよくあります。

この体温の上昇は、代謝を活発にして、血流を促進する効果があります。

体温が上がると、それだけで覚醒状態が維持されやすくなります。

消化器系への刺激

辛い食べ物は、胃や腸などの消化器系にも刺激を与えることがあります。

特に、空腹時や寝る前に辛いものを食べると、胃の不快感や消化の遅れなどが起きることがあるため、これが睡眠を妨げる原因となります。

辛い食べ物が睡眠を妨げる理由は主に、体温の上昇と消化器系への刺激によるものです。寝る前に辛い食べ物を食べると、体が「寝るモード」に入るのを遅らせる可能性があるのです。

脂肪分の多い食べ物

バター、チーズ、ピザ、揚げ物などの脂肪が豊富に含まれる食べ物は美味しいものが多いですが、消化に時間がかかる傾向があります。

脂肪分の多い食べ物が睡眠に与える影響

消化の遅れ

脂肪分が多い食べ物は、消化が遅くなることが一般的です。

胃や腸での消化に時間がかかり、消化器系が夜通し活動することになるため、深い睡眠に移行するのが難しくなります。

胃の不快感（胃もたれ）

脂肪分の多い食べ物を大量に摂取すると、気持ちが悪くなったり、胃もたれをしたりすることがあります。

このような不快感も、リラックスして眠りにつくのを妨げる可能性があります。

脂肪分の多い食べ物が睡眠を妨げる理由は、主に消化の遅れと胃の不快感に起因します。消化に時間がかかる食べ物を夕食で摂ると、体は消化に忙しく、睡眠への移行がスムーズではなくなることがあるのです。

砂糖の多い食べ物

ケーキ、クッキー、チョコレート、アイス、ソーダなど、砂糖が多く含まれる甘い食品や飲料は色々あります。

寝る前についつい手が伸びてしまう人もいるのではないでしょうか?

糖分の多い食べ物・飲み物が睡眠に与える影響

エネルギーの急激な上昇

糖分の多い食べ物・飲み物を摂取すると、血糖値が急激に上昇します。

この急激なエネルギーの上昇により一時的に元気になりますが、体を覚醒状態にするため、寝る前に摂取すると眠りにくくなることがあります。

エネルギーの急激な下降

血糖値が急上昇した後、同じく急に下降することがあるため、夜中に目覚める原因になることもあります。

この急激な変動は、安定した睡眠を妨げる可能性があります。

消化の負担

糖分の多い食べ物・飲み物は、消化に負担をかけることがあります。

特に、甘い食べ物には脂肪も含まれることが多いため、消化器系が夜通し活動することになり、深い睡眠に移行しにくくなります。

糖分の多い食べ物・飲み物が睡眠を妨げる理由は、血糖値の急激な変動と消化の負担に主に関連しています。寝る前に摂取すると、体が覚醒状態になるため、睡眠への移行が難しくなることがあるのです。

アルコール

アルコールが睡眠に与える影響

眠気の誘発

アルコールを飲むと最初に感じるのは、リラックスした気分や眠気です。

これはアルコールが神経系を抑制し、一時的にリラックスさせる効果があるためです。

しかし、この効果は一時的であり、睡眠の質全体には必ずしも良い影響を与えません。

レム睡眠の減少

レム睡眠（Rapid Eye Movement）は、夢を見る睡眠の段階であり、脳の回復に重要です。

アルコールはこのレム睡眠を減少させる傾向があります。

レム睡眠が不足すると、疲労回復が十分に行われず、次の日のパフォーマンスに影響が出ることがあります。

夜間の覚醒の増加

アルコールの効果が切れると、睡眠が浅くなり、夜間に何度も目覚めることが多くなることがあります。

この夜間の覚醒は、睡眠の質を下げる主な要因の一つです。

排尿の促進＝トイレが近くなる

アルコールは利尿作用があり、水分が体の外に排出されやすくなります。

そのため、夜中にトイレに何度も行く必要が生じることがあるため、これも睡眠の妨げとなります。

アルコールが睡眠を妨げる理由は、一時的なリラックス効果の後のレム睡眠の減少、夜間の覚醒の増加、排尿の促進などに関連しています。これらの影響は、睡眠の質と次の日の気分や能力にも影響を及ぼすことがあります。

まとめ

睡眠の質を向上させるためには、食べ物の選択が非常に重要です。

カフェイン、辛い食べ物、高脂肪食、砂糖、アルコールなどは、寝る前に摂取すると睡眠を妨げる可能性があります。

睡眠の質を高めるためには、これらの食べ物や飲み物を摂る量やタイミングに気をつけましょう。

バランスの取れた食事と適切なタイミングが、健康な睡眠をサポートします。